『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019』6位を受賞し、アニメ化も決定した 『王様ランキング』 という漫画をご存知でしょうか?
普段、あまり漫画を読まない私ですが、夫に勧められて読んだところ、超面白くて感動しました!
『王様ランキング』とは漫画投稿サービス『マンガハック』にて2017年5月20日から毎週土曜日に更新されている漫画です。SNS界隈では少し前から話題になっていたそう。
作者の十日草輔(goriemon)さんは、40歳を過ぎてから脱サラしてこの漫画を描き始めたそうです。
なかなか珍しい遅咲きの漫画家さんなんですね!
目次
1巻を買った翌日に2~6巻を大人買いした夫
『王様ランキング』は、web(マンガハック)にて読むことができますが、コミックス版も出版されています。夫は紙の本で読みたい派なので、まずはとりあえず1巻だけ購入してきました。
そしてあっという間に1巻を読み終えた夫。続きが気になりすぎて、翌日本屋に駆け込み、現在刊行されている6巻までまとめて購入してきたんです。
そして、私にも超プッシュしてきました。
この漫画、面白い!!絶対、読んだほうがいい!!読んで、すぐ読んで!!!
普段は、家事や育児やブログに注力しているので、最近は漫画はあまり読んでいません。でも、夫がそこまで言うなら読んでみようかな、と週末の時間を使って1巻を読みはじめました。
すると、めっちゃくちゃ面白くて、続きが気になって止まりません!!
夫と同じく6巻まであっという間に読破してしまいました。
王道ファンタジーでありながら、すごく道徳的で教科書のような、やさしい世界を描いた作品だと思います。
久しぶりにはまった漫画です。
ぜひたくさんの方に読んでほしいと思いましたので、どんな作品なのか、ご紹介していきますね。
『王様ランキング』のあらすじとキャラクター紹介
この物語の世界には、いくつもの国が存在しその国を統治する王様を『協会』と呼ばれる組織が調査、順位付けしランキングを発表しています。それが『王様ランキング』。
評価項目は、三つ。
- 「高名な騎士を数多く従え」
- 「国民が多く町が発展している」
- 「王様自身が勇者のごとく強いこと」。
このランキングで7位に選ばれたのがボッス王です。
この漫画の主人公は、めちゃくちゃ強いボッス王の長男として生まれた王子ボッジ。ボッジは、耳が聞こえないから喋れず、短剣すら持てない非力の少年です。
『王様ランキング』はそんなボッジが、色んな人と出会って成長していく物語になっています。
ボッジは王様になることができるのか?
どんな成長を遂げていくのか?
引き込まれるストーリー展開が魅力のひとつです。
また、この作品のもうひとつの魅力は、可愛さと懐かしさを感じる絵柄にあります。絵本作家をしていた作者さんだけに、わかりやすいはっきりとした線画です。
子供のころに両親に読んでもらった、世界の名作童話の絵本も思わせます。
正直、私はこの漫画の絵が苦手だな、と初見では思いました。絵本だったらかわいいと思うんです。
でも漫画でこの感じの絵柄だと、なんだか読もうという気持ちにならない性格なのです。夫が大プッシュしてこなかったら、きっと読まなかったと思います。
でも、漫画を読み進めていくうちに、この漫画は、この絵柄だから魅力的なんだと考えが変わりました。
ボッジは耳が聞こえず、しゃべれないので、セリフがない絵柄だけの進行箇所が度々登場するのですが、言葉でなく、直接感情に訴えてくるこの進行がとても胸に刺さります…!
シンプルな絵柄だからこそ心理描写が伝わりやすく、この作品の魅力を何倍にも増幅させてくれているんだと感じました。
絵柄で苦手だな、と思う方にもぜひ食わず嫌いせず、読んでほしいです!!
主人公 ボッジ(ボッス王の第一王子)

耳や言葉が不自由な主人公のボッジは、国民たちから陰口を言われるが聞こえていないかのように口を「V」の時にして平然としています。
でも本当は陰口を理解していて、部屋で一人になると耐えきれずに涙を流しているんです。ひとり伝えることのできない感情を押し殺して生きている。そんなハンデを背負ったボッジが、一生懸命生きようとする姿に感動します。
素直で心優しい性格のボッジは、自分の境遇にめげず、将来は父のような立派な王様になりたいという決意をしています。また反対されても、自分の意思を貫こうとする強い気持ちも持っています。「がんばれ!がんばれ!!」とついつい応援したくなる、とてもいい子です。
そしてボッジは、我が家の息子に顔が似ています!シンプルな絵柄だから、いろんな人に似て見えるのだと思うのですが…息子のようで、健気でかわいくて仕方ありません。
「うちの子にも似てる!!!」と同じように思う方、たくさんいるはず。
カゲ(影の一族の生き残り)

ボッジが出会う友達が「カゲ」です。カゲは文字どおり、地面を影のように移動する、目と手がある謎のモンスター(?)。 暗殺を生業にする「影の一族」の生き残りで、母親、一族もろとも虐殺された辛い過去を持っています。
当初はボッジから豪華な服を巻き上げる盗賊で、その結果ボッジは裸で城に帰ることになり、国民から嘲笑されます。ボッジはカゲに裸にされてしまっても、嫌な気持ちを抱きません、逆にボッジが「あうあう!」としゃべっただけで、「こう言いたいんだな?」となぜか100%感情を理解してくれるカゲに、友好の気持ちを抱きます。
ボッジはみんなにバカにされて、気持ちを伝えたいのに伝わらなくて、すごく悲しくて、やりきれない日々を送っていたのですから、こんなに気持ちを分かってくれるカゲをすぐに好きになってしまったのも頷けます。
一方ボッジの優しさやどんな時も明るく振る舞う姿を見るうち、カゲも自分を反省し、ボッジの味方になることを決意します。一族皆殺しにされた寂しい生い立ちのカゲは、ボッジに必要とされて改心したんですね。素敵な友情です。
ボッス王(王様ランキング7位の実力者)

めちゃくちゃ強い王様のボッス王。非力な息子のボッジに向ける眼差しは、哀れみや蔑みではありません。
ボッジが非力で耳が聞こえずしゃべれない原因は、実はボッス王が作り出したものだと判明します。 表情にはほとんど出しませんが、贖罪の気持ちをずっと抱えていたのだと思います。
ボッスは、せめてもの罪滅ぼしに国を豊かに安定させ、ボッジを次期王様に推薦するのですが・・・。
ヒリング(ボッジの継母)

継母のヒリングは、よく昔話に出てくる意地悪な王妃と思いきや、誰よりも優しさを持った女性です。ボッジをに厳しくあたっているように見えることもありますが、実はとても大切に思っているからこその行動です。
ボロボロに怪我をしたボッジに、陰ながらヒーリング(ホイミ的魔法)を施し、自分も疲労困憊になりながらも、傷を癒やしてあげるシーンや、葛藤の末にボッジを旅に送り出すシーンは、親としての自分と重ね合わせながら読んでしまいました。大人になると、漫画を読む視点が親寄りになって見方がかわりますね。
ダイダ(ヒリングの子の第二王子 )

ボッス王とヒリング王妃の実子。剣術の才能もあり、国民からの人望もあるので、次期王様の有力候補です。
ただ、自分が王になろうという気持ちが強く、プライドが高いので、ボッジを疎ましく思っています。ボッジとの剣術の試合で、ボッジを滅多打ちに打ち負かす非道な一面も持ち合わせています 。
ボッジに感情移入して読んでいると、ヒール(悪役)に見えますが、読み進めていくと彼の心情がよくわかり、段々と応援したくなる魅力的なキャラクターです。
すべては紹介しきれませんが、その他に登場するキャラクター誰もが魅力的です。
一般的な漫画で見られるような「人相のいい」「人相の悪い」だけで判別ができません。表の感情と裏の感情に揺れ動く心理描写が素晴らしく、共感できるポイントがいっぱいです。
また、現在と過去が絶妙に交差し、キャラクターに深みを持たせています。
まとめ
『王様ランキング』は、「マンガハック」から読むことができますが、KADOKAWAから刊行されているコミックで読むことをおすすめします。
なぜなら、各巻の巻末に収録されている読み切りの短編エピソードが物語を補完させ、より作品の深みが味わえるからです。本編でここが知りたい!と思ったシーンをしっかり掘り下げてくれています。
そして、何よりもお願いしたいのは、絵柄だけで敬遠しないでほしいということ。
正直、私も漫画としては苦手な絵柄だと初見では思いましたが、今ではこの絵柄だからこそ、この漫画の魅力が何倍にも増幅されていると考えています!
アニメ化も決定し、ますます注目される『王様ランキング』。
普段あまり漫画を読まない私も、ググっと引き込まれ6巻まで即読破してしまった傑作です。7巻も2020年5月頃発売予定だとか。最後まで追いかけます!
ぜひ、みなさんもお手に取って読んでみてください!
そして、このやさしい漫画がアニメでどう表現されるのか、続報も楽しみですね!!